高齢者の肺炎球菌予防接種 種類と効果、費用をやさしく解説
高齢になると、私たちの体は病気に対する抵抗力が少しずつ弱まっていくことがあります。特に肺炎は、高齢の方にとって重い病気となることがあります。その肺炎の原因の一つに「肺炎球菌」という細菌があります。
肺炎球菌による肺炎は、命に関わることもあり、一度かかると回復に時間がかかることも少なくありません。そこで、ご自身の健康を守るための一つの大切な選択肢として、「肺炎球菌の予防接種」があります。この予防接種は、肺炎球菌による病気を防ぎ、重症化を避ける手助けをしてくれます。
このページでは、肺炎球菌の予防接種について、その種類や期待できる効果、そして費用について、分かりやすくご説明いたします。ご自身の体と向き合い、健康な毎日を送るための参考にしていただければ幸いです。
肺炎球菌予防接種の種類について
現在、高齢者の方を対象とした肺炎球菌の予防接種には、主に二つの種類があります。これらは、防ぐことができる肺炎球菌の種類(型)の数が異なります。どちらのワクチンを選ぶかは、かかりつけのお医者様とよく相談して決めることが大切です。
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肺炎球菌ワクチン(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン、通称:ニューモバックスNP)
- 多くの種類の肺炎球菌に対応できるワクチンです。
- 国が定める定期接種の対象となるワクチンで、条件を満たせば公費助成が受けられる場合があります。
- 一度接種すると、効果が長く続くと言われています。
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小児用肺炎球菌ワクチン(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン、通称:プレベナー13)
- お子様向けとして開発されましたが、一部の大人の方にも接種が推奨されることがあります。
- 免疫のつき方が少し異なり、23価ワクチンでは防げない種類の肺炎球菌に対しても効果が期待できる場合があります。
- 通常は任意接種となるため、費用は全額自己負担となることが多いです。
どちらのワクチンを選ぶか、また、これまでにどのような予防接種を受けているかによって、接種のタイミングや回数が変わることもあります。必ずお医者様にご相談ください。
肺炎球菌予防接種の効果(なぜ必要か)
肺炎球菌の予防接種を受けることで、主に以下のような効果が期待できます。
- 肺炎球菌による肺炎にかかるリスクを減らすことができます
- 特に高齢になると、免疫力が低下しやすく、肺炎にかかりやすくなります。予防接種は、そのリスクを軽減する手助けをします。
- もし肺炎にかかったとしても、重症化するのを防ぐことができます
- 予防接種を受けていれば、万が一肺炎にかかってしまっても、症状が軽く済んだり、命に関わるような重い状態になるのを避けられる可能性が高まります。
- 健康な日常生活を送るための安心感につながります
- 肺炎は体力消耗が大きく、回復に時間がかかる病気です。予防接種を受けることで、日々の生活を安心して送ることができるようになります。
- 他の病気との合併症のリスクを減らします
- 特にインフルエンザなど、他の呼吸器系の感染症にかかっているときに肺炎を合併すると、重症化しやすいと言われています。肺炎球菌ワクチンは、そうしたリスクを減らすことにもつながります。
費用について
肺炎球菌の予防接種にかかる費用は、国や自治体による助成制度の対象となるかどうかで大きく変わります。
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公費助成の対象となる場合(定期接種)
- 「23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(ニューモバックスNP)」については、国の制度として、特定の年齢の方を対象に定期接種が行われています。
- 対象となる年齢の方には、接種費用の一部、または全額が自治体から助成されます。
- 助成の対象となる年齢や期間は、自治体によって異なります。お住まいの市区町村の窓口で最新の情報をご確認ください。
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公費助成の対象とならない場合(任意接種)
- 定期接種の対象外の方や、小児用肺炎球菌ワクチン(プレベナー13)を接種する場合は、費用が全額自己負担となります。
- 費用の目安は、医療機関によって異なりますが、一般的には数千円から1万円程度かかることがあります。
- 最新の費用については、接種を希望する医療機関に直接お問い合わせください。
費用や助成制度は、年度や自治体によって変更されることがあります。ご自身が対象となるかどうか、また具体的な費用について、事前にお住まいの市区町村の窓口やかかりつけ医にご相談いただくことをお勧めいたします。
まとめと相談先
肺炎球菌の予防接種は、高齢の方の健康を守り、安心して生活するための大切な手段の一つです。ご自身の体調や既往歴、そして受けられる予防接種の種類や費用について、気になることがございましたら、遠慮なくご相談ください。
正確な情報やご自身に合った接種計画については、以下の場所で詳しく確認することができます。
- お住まいの市区町村の窓口:公費助成制度の対象年齢や期間、手続き方法などについて確認できます。
- かかりつけ医:ご自身の健康状態に合わせたワクチンの種類や接種のタイミングについて、専門的なアドバイスを受けることができます。
ご自身の健康を守るために、ぜひ一歩を踏み出してみてください。